xGenius

xGenius

PTP スマートグリッド L1コネクティビティ IP系 試験・測定・監視・検証機 レガシーネットワーク系 試験・測定・監視・検証機

 

xGeniusは、従来のパケットジェネレータ機能、ネットワークモニタ機能、RFC2544パフォーマンス測定機能、ケーブルテスター機能に加え、新たにPTPやC37.94規格等で留意すべき同期、遅延、ゆらぎ等のコンフォーマンステストを、1台で実現するポータブルネットワークテスタです。

  • 高性能RbXO(ルビジウム発振器)搭載可能
  • GNSSクロック ホールドオーバー機能
  • PTP (IEEE1588v2) テスト機能、マスタ/スレーブエミュレーション機能
  • PTP PTD/PDV (1way/2way遅延) 測定
  • SyncE (Synchronous Ethernet) テスト機能
  • PTP, SyncE TE/TIE 測定
  • PTP, SyncEワンダー測定
  • T1, E1 ジッター、ワンダー測定
  • 往復遅延測定、片道遅延測定(GNSS必須)
  • 1PPS measurement
  • BER / RFC2544 / Y.1564 (e-SAM) / E1 / T1 テスト機能
  • Scan MAC/IP/VLAN/Q-in-Q
  • MPLS サポート
  • LANケーブルテスト、パワーメータ機能
  • Ethernet/Wi-Fi LANを介して遠隔でのGUI操作が可能

※上記の特徴・機能は、各種オプションの選択により可能となります。詳しくはお問い合わせください。

プラットフォーム
テスト I/F ・10GbE(SFP+) or 1GbE (SFP) 2ポート
・10/100/1000BASE-T (RJ-45) 2ポート
・T1/E1 (RJ-45) 1ポート
・T1/E1 (BNC) 2ポート
・GNSS用 SMAメス 1ポート
・PPS入出力用 SMAメス 3ポート
クロック I/F 入力クロックI/F
・GNSS (SMA)
・T1/E1 (BNC)
・1544 KHz / 2048 KHz (BNC)
・10 MHz (BNC)
・PPS (SMA)
・ToD (RJ45)出力クロックI/F
・2048 KHz (BNC)
・10 MHz (BNC)
・PPS (SMA)
・ToD (RJ45)
操作 / 結果 ・ワンダー測定のグラフ表示
・タッチスクリーン操作
・VNCによるリモート操作
・USBまたはSDポートにPDF/TXT/CSVフォーマットで試験結果のエクスポートが可能
・LAN経由で、リモートホストに試験結果の転送が可能
フィールディング ・ラバープロテクション
・軽量キャリーバッグ
・パスワードセキュリティ
バッテリー動作時間 ・T1/E1 テスト使用時 約12時間
・GbE テスト使用時 約10時間
・10GbE テスト使用時 約6時間
時間 / クロック
内蔵クロック精度 ・標準クロック ±2.0 ppm
・OCXO クロック ±0.1 ppm
・ルビジウムクロック ±5.0e-11 (GPSとの連携には600秒のウォームアップが必要)
内蔵ルビジウムクロック 自励(GPS無し)
・周波数精度 (7.5 分 ウォームアップ): ±1.0e-9
・周波数精度 (24 時間 ウォームアップ): ±5.0e-11
・エージング (24 時間 ウォームアップ): ±0.5e-11
・エージング(1 年): ±1e-9GPSロック
・時刻精度 (ロック24時間後): ±50 ns

ホールド・オーバー(ロック24時間後)
・周波数精度: 1.5e-11 / 24時間
・時刻精度: ±100 ns / 2時間、 ±1.0μs / 24 時間

インプット・クロック・リファレンス ・レート: 1.544 Mb/s, 2.048 Mb/s, 1.544 MHz, 2.048 MHz, 10 MHz
・内蔵GPSレシーバー、 1 pps
・SyncE
アウトプット・クロック ・1.544 MHz, 2.048 MHz, 10 MHz
・1 pps
SyncE、PTPテスト
・PTPプロファイル: Telecom and Power
・カプセル化: イーサネット、UDP
・クロックエミュレーション: マスター / スレーブ, ユニキャスト/マルチキャスト、 128 packet/s
・PDV キャプチャ、 プロトコル解析、 コレクションフィールドサポート
イーサネットPTP周波数テスト ・フロアディレイポピュレーション (G.8260): FPC, FPR, FPP
・ワンダー: 解析とジェネレートTIE, MTIE, TDEV (リアルタイム)
イーサネットPTP位相テスト ・GbEでの計測、1pps I/F
・タイムエラー (TE): 最大 (max |TE|), ダイナミック (dTE), コンスタンス (cTE)
1 pps テスト ・1 pps テスト
・ワンダー: TIE, MTIE, TDEV
・タイムエラー(TE): 最大 (max |TE|)
シンクロナスイーサネット(SyncE) ・ESMC / SSM: ジェネレート, デコード、透過転送
・ワンダー: 解析/ジェネレート: TIE, MTIE, TDEV (リアルタイム)
遅延測定
E1, T1, 1GbE, 10GbE インターフェース ・往復遅延 (RTD)
・片道遅延 (OWD) GNSS機能が必須
イーサネットPTP (1GbE, 10GbE) ・フロアディレイパケットポピュレーション, レシオ/パーセント/数
・非対称パス遅延
・エンド-エンド/ピア-ピア・パス遅延メカニズム
・マスター・スレーブ間/スレーブ・マスタ間レイテンシ
・PTP パケット遅延変動
・タイムエラー (TE): 最大 (max |TE|), ダイナミック (dTE), コンスタント (cTE)
イーサネット/IP テスト
8ストリームジェネレート ・ストリーム: 個別に送受信アドレス、帯域の設定が可能
・プロトコル: IPv4, IPv6
・フレーム: DIX, VLAN, 多段VLAN, CoS (DSCP/PCP), MPLS, ジャンボフレーム,UDP/IP, DHCP, ARP
統計表示 ・フレーム数, IPトラフィック, ビットレート
・Top10 VLAN, MAC, IPv4/IPv6 アドレス
・QoS: レイテンシー, 遅延変動,ロスレシオ, SES, 可用性, アウトオブシーケンス, 重複
BER テスト、パターン ・トラフィック生成: 継続、バースト、ランプ、ランダム
・PHYレイヤー: RPAT, JPAT, SPAT, HFPAT, LFPAT, MFPAT, LCRPAT, SCRPAT
・レイヤー2/4 PRBS: 2e11-1, 2e15-1, 2e20-1, 2e23-1, 2e31-1
・レイヤー2/4 PRBS: all inverted versions
対称 / 非対称RFC-2544 ・スループット
・レイテンシー
・ロス
・バックツーバック
・システムリカバリ
対称 / 非対称 eSAM (Y.1564) ・レイテンシー, 遅延変動, ロス, 可用性
・8 / 4 サービス判定 (カラー表示)
・CIR, EIR, max, スループット
ループバック ・L1 - L4 ループバックモード
・送受信 MAC / IP / Port
・VLAN, CoS (DSCP/PCP)
・プロトコル
PDH / T. キャリアテスト
インターフェース ・T1 (ANSI T1.102)
・E1 (ITU-T G.703)
・E0/Co-Directional (ITU-T G.703)
モード ・ターミナル
・モニター
・ハイ・インピーダンス
・パススロウ
・T1: Framed SF and ESF and unframed Generation/Analysis
・E1: Framed PCM-30 / 31 with/without CRC and Unframed signals
・T1/E1: Display and Edition: all fields, CAS, Pulse Masks, Events
・Channel map: Busy/Free, External Drop/Insert of 64 kb/s co-dir or datacom
計測 ・BER
・Line/Freq
・Errors/Alarms
・G.821, G.826, M.2100
・VF: tone generation/analysis
・Attenuation, Freq, Freq. deviation, Level, Peak codes
同期 ・ジッター解析: Peak to peak, RMS, hits, count (0.1 to 100 kHz レンジ)
・ワンダー解析/ジェネレーション, マスク (1 μHz to 10 Hz レンジ)
・ワンダー解析/ジェネレーション 10 MHz, 2048 kHz, 1544 kHz, 1pps

xGeniusは、様々な周波数及び位相クロックリファレンス出力を装備し、多用途の試験に利用可能なポータブルテスタです。

  • 1PPS/ToD出力(平衡/不平衡): これらの出力はITU-T G.8271の仕様を満たし、テストユニットの構成が適切な場合、ITU-T G.8272で定義されているプライマリ・リファレンス・タイム・クロック(PRTC)と同等の機能を提供します。
  • 2048 kHz及び10MHzインターフェイスを含む周波数出力。これらの出力は、テストユニットの構成が適切な場合、ITU-T G.811で定義されているプライマリ・リファレンス・クロックと同等の機能を提供します。

xGeniusが実装する高性能な信号源は、あらゆるネットワークの同期試験に対応します。xGeniusは、ポータブルかつバッテリー駆動の特徴を有し、GNSSからは独立したポータブル同期信号源としても利用可能です。またルビジウム発信器を実装したモデルは、優れたホールドオーバー性能も備えています。

クロックのリファレンス出力の代表的な用途は試験対象のデバイス又はネットワークへ試験信号を印加することです。この信号はネットワークを介して伝播され、2台目のリモートユニットによって結果が解析されます。代表的な性能測定パラメータとしてはタイム・エラー(TE)、タイム・インターバル・エラー(TIE)、マキシマム・タイム・インターバル・エラー(MTIE)、タイム・デビテーション(TDEV)があります。

クロックリファレンス出力は、2台目のユニットの同期信号としても使用可能です。これはバウンダリー・クロック(BC)やトランスペアレント・クロック(TC)を評価する際に必要な自己同期試験に用いられます。この構成の優れた点はいかなる外因からも独立した、高確度のクロックを試験系に供給できることです。

本ページでは、パケット交換網上に伝送されるフェーズ及びタイムアプリケーションの試験に焦点を当てているため、1PPS / ToD及びPTP試験に関してのみを詳細に解説しています。しかしながら、周波数出力クロックはTDMアプリケーションで、また、その分布が関係するパケットアプリケーションで未だに重要です。

1. 1PPSテスト

本セクションでは1ppsインターフェイスを用いた試験に関連する、2つの基本的な試験構成を取り扱います。1つの試験では1PPSを試験信号として用い、GNSSは時間と位相のリファレンスを供給します。もう1つの試験では、1PPSはクロックリファレンスとして使われます。GNSSを用いる同期試験は試験信号が物理的に離れた解析インターフェイスへ伝送される際に適しています。自己同期試験は非常に正確ですが、クロックリファレンスを発する1台目のユニットと解析を行う2台目のユニットが短いパッチケーブルで物理的に接続されている必要があります。

本ページでは記述していませんが、3つ目の基本的な試験構成があります。これにもいくつかの重要なアプリケーションがあります。それは1つのユニットが1PPS/ToDの試験信号を印加するのと同時に、同一ユニットで1PPS/ToD解析試験を行う構成です。このテストは2台の自己同期試験と同等の精度となります。

テストケースⅠ: GNSSを用いた同期試験

2台のxGeniusが本試験では必要です。ユニットの構成は出荷時設定であることを前提としています。また、ユニットは物理的に離れた場所に設置されていることを想定しています。ユニット#1はパケット交換網を通して伝送される1PPSの試験信号を印加します。ユニット#2はBCの1PPSモニタリング出力、またはPTPスレーブクロック(SC)によって提供される1PPS出力を用いてTE/MTIE/TDEVテストを行います。

リファレンス設定

xGeniusにはオプションでGNSS受信機が組み込まれているユニットがあります。それらのユニットは、アンテナ接続用のSMAメスコネクタを装備しています。GNSS受信機が組み込まれたユニットには5mの同軸ケーブルを持ったコンクトアンテナ及び10mの延長ケーブルを付属しています。GNSSモジュールの仕様に合えば、サードパーティ製アンテナも使用することも可能です。GNSSモジュールが組み込まれた、ユニット#1(試験信号印加側)とユニット#2(解析側)の設定は、それぞれ以下となります。

  1. アンテナをユニットに取り付けます。アンテナをできるだけ空が良く見える場所に設置してください。十分な数の衛星が検知できない場合は、ユニットは同期に失敗する場合があります。また、検知できる衛星の数が減ると、一部のテストの精度が低下する場合があります。
  2. HomeパネルからConfigへ移動し、Port設定画面を表示します。
  3. Reference clockへ移動します。
  4. Input clockをGNSSに設定します。
  5. 試験状態を表示するためにLEDを押します。
  6. REFとLOCKのLEDが緑になるまで待ちます。

NOTEOCXO内蔵のxGeniusはロックするまでに約10分、ルビジウムは低精度のロックに約20分を要します。

NOTEOCXOとルビジウムのどちらのxGeniusもLOCK LEDが緑になった状態でテスト可能ですが、ルビジウム内蔵のユニットは最大の精度を提供できる状態ではありません。このユニットは完全なLocked状態になる前に Fine Locking状態になります。ルビジウム内蔵ユニットではこの状態は約4時間続きます。OCXOユニットにはFine Locking状態はなく、低精度のロックが終了すると、直接Locked状態になります。ユーザーはReference clockメニュー内のOscillatorメニューからLocking, Fine Locking,Locked, Holdover等の現在のロック状態を確認できます。

GNSSプロパティ設定

  1. HomeパネルからConfigへ移動します。Port設定画面を表示します。
  2. Reference clockへ移動します。
  3. GNSS Receiverへ移動します。
  4. Antenna delay correctionフィールドでアンテナケーブルの補正を設定します。
  5. Active GNSS SettingでGPS,GLONASS,Beidou,またはGalileo衛星群を有効または無効にします。
  6. Fixed-position modeへ移動します。
  7. Position averaging timeを調整し、Fixed-positionmodeをAuto-averageへ設定してPosition averagingを有効にします。Fixed-position statusフィールドに平均値が表示されるようになります。
  8. Fixed-position statusがActiveになるとユニット試験の準備ができた状態となります。

NOTE適当な精度を得るためにはPosition averagingに最低でも1時間必要です。

NOTEPosition averagingの手順は各テストユニットが地理的な場所を変えた際に始まります。ユニットはGNSSアンテナが接続されるたびに、あらゆる位置の変化(経度、緯度、高度)をチェックします。 座標の変化を確認した場合は、エラーメッセージがステータスフィールド上に表示され、Fixed-position modeが無効になります。

NOTE試験はPosition averagingの途中で開始することが可能です。この機能による時刻精度の改善はAuto-averagingの終了後、自動的に適用されます。

ユニットの接続

入出力の物理ネットワークインターフェイスはITU-T勧告のG.703とG.8271で定義されている1PPSunbalanced(不平衡)を想定しています。

ユニット#1で必要な設定は以下となります。

  1. xGeniusのREF OUT portをネットワーク入力インターフェイスに接続します。
  2. HomeパネルからConfigへ移動します。Port設定画面が表示されます。
  3. Reference clockへ移動します。clock reference入出力設定パネルが表示されます。
  4. Output clockでPPS(REF SMB)を選択し、GNSSリファレンスに同期した1PPS出力の印加を開始します。

ユニット#2で必要な設定は以下となります。

  1. xGeniusのPPS RX portに50Ωの同軸ケーブルを接続します。
  2. HomeパネルからConfigへ移動します。Port設定画面が表示されます。
  3. Modeを選択して、モード選択メニューへ移動します。
  4. Clockモニターを選択します。

テストポート設定

ユニット#2で必要な設定は以下となります。

  1. HomeパネルからConfigへ移動します。Port設定画面が表示されます。
  2. PortCを選択して、モード選択メニューへ移動します。
  3. Clock frequencyをPPS(PortC)に設定します。
  4. コネクタをUnbalancedに設定し、Clock frequencyで1PP1S(PortC)を選択します。

試験設定

ユニット#2で1PPSクロックインターフェイスを設定した後、ユーザーは実施する試験を選択す留必要があります。本設定ではTE/MTIE/TDEVの試験となります。試験を実施するには以下の設定を行います。

  1. HomeパネルからTestへ移動します。Test設定画面が表示されます。
  2. Wander testへ移動します。
  3. Enable control をOnに設定してMTIE / TDEVテストを有効にします。
  4. PTP SC(Slave Clock)出力を用いて試験する場合、Standard MaskをPTP G.8271.1 ReferencePoint Cに設定するか、テスト要件に適した他のmaskを設定してください。

テストの実行

各テストユニットのRUNを押して試験を開始してください。TE/MTIE/TDEVの結果はユニット#2に於いてリアルタイムで計算され、以下の方法でいつでも確認できます。

  1. HomeパネルからResultへ移動します。テストポート結果パネルが表示されます。
  2. Port Cを選択してポート固有の解析結果へ移動します。
  3. Wander testへ移動します。
  4. Wander analysis, MTIEもしくはTDEV を選択しして下さい。
    • Wander analysis結果パネル内の TE, Max. TE,Offset, Max. offset, Drift, Max. Drift
    • MTIE 結果パネル内のTime, TIE, MTIE and Mask result
    • TDEV 結果パネル内のTime, TDEV and Mask results を確認してください。

試験を停止するにはRUNをもう一度押します。

テストケースⅡ: 自己同期試験

本試験でも2台のユニットを使用します。今回はEthernetインターフェイスを介して伝送されるPTPデータフローを試験信号とします。解析信号はテストケースⅠと同じく1PPSです。

PTPは単純な構成を想定しています。(1000BASE-Tインターフェイス、VLANなし)PTPプロファイルはITU-T G.8275.1(L2ペイロード、マルチキャスト伝送)を想定しています。解析インタ―フェイスはITU-T勧告のG.703とG.8271で定義されている1PPS/ToD balanced(平衡)です。2台のテストユニットの状態は出荷時のデフォルト設定です。

本試験は1PPS/ToD出力を用いたPTPスレーブクロックの性能検証に用いられます。

リファレンス設定

  1. ストレートのRJ-45ケーブルを使用して、ユニット#1のREF IN / OUT portとユニット#2のREFIN / OUT portを接続します。
  2. ユニット#1のHomeパネルからConfigへ移動します。ポート設定画面が表示されます。
  3. Output clockのToD (Port Ref. In / Out) を選択してユニット #2 の発振器への同期信号を供給します。
  4. PPS / ToD output interfacesへ移動します。
  5. Output ToD protocol をITU-T G.8271へ設定しま
    す。
  6. ユニット#2のHomeパネルからConfigへ移動します。Port設定画面が表示されます。
  7. Input clock でToD (Port Ref. In / Out) を選択し、ユニット#1で印加された1PPS/Tod出力をユニット#2でロックします。
  8. PPS / ToD input interfacesへ移動します。
  9. Input reference delayを設定して、ケーブル遅延を補正します。ケーブル1メートルあたり5ns追加する必要があります。
  10. LED を押してユニットの状態を表示します。
  11. . REFとLOCKのLEDが緑になるまで待ちます。

NOTE時間情報を伝送しない為、ToDクロックリファレンスを用いない場合は、PTPマスターもしくはスレーブエミュレーションを必要とするテストに限定され、TEテストには使用できません。

NOTEOCXO内蔵のxGeniusはロックするまでに約10分、ルビジウムは低精度のロックに約20分を要します。

NOTEOCXOとルビジウムのどちらのxGeniusもLOCK LEDが緑になった状態でテスト可能ですが、ルビジウム内蔵のユニットは最大の精度を提供できる状態ではありません。このユニットは完全なLocked状態になる前に Fine Locking状態になります。ルビジウム内蔵ユニットではこの状態は約4時間続きます。OCXOユニットにはFine Locking状態はなく、低精度のロックが終了すると、直接Locked状態になります。ユーザーはReferenceclockメニュー内のOscillatorメニューからLocking, Fine Locking,Locked, Holdover等の現在のロック状態を確認できます。

ユニットの接続

ユニット#1の設定は以下となります。:

  1. EthernetパッチケーブルをxGeniusのRJ45PortAに接続します。
  2. HomeパネルからConfigへ移動します。Port設定画面が表示されます。
  3. Modeを選択し、モード選択メニューへ移動します。
  4. Ethernet endpointを選択し、ENTERを押して確認します。

出力インターフェイスに接続されたユニット#2にも同一の設定を行います。

PTP Master Emulation Modeの設定

PTP試験信号を印加するには、ユニット#1で以下の設定を行います。

  1. HomeパネルからTestに移動します。テスト構成パネルが表示されます。
  2. PTP (IEEE 1588)移動します。
  3. PTP modeをEmulationに設定して、ユニットのPTPプロトコルを有効にします。PTPのラベルが画面上部の通知領域に表示されます。
  4. Clock emulationをMasterに設定してユニットをIEEE 1588マスターになるように設定します。
  5. Message timingメニューからPTPに関連付けられている各種メッセージのタイミングを設定します。
  6. Domain, Priority 1,Priority 2ネットワークの環境に準じた適当な値に設定します。

先ほどまでの設定が正しければ、「M」の表示(Master)がPTPラベルの近くに表示されます。

試験設定

実行する試験はテストケースⅠと同様で、試験の設定方法も同様です

試験の実行

テストケースⅠと同様の手順で試験します。

2. IEEE1588/PTP試験

本セクションではクロックリファレンス出力や試験信号が必要な3つのテストケースについて説明します。テストケースⅢはテストケースⅠに関連していますが、1PPS/ToD試験信号はEthernetインターフェイスを介し手伝送されるPTPフローに変わっています。

テストケースⅣでは、自己同期試験について解説します。ここで試験信号はSyncEを用いたリファレンス信号と同一の物理インターフェイス上で転送されます。この構成の利点はGNSSを利用できないもしくはテストユニットが遠く離れている場合でもクロックリファレンスをすぐに利用できる点です。欠点はテストネットワークでSyncEをサポートしている必要があることです。 SyncEは周波数情報のみを印加します。時間・フェーズ情報を分配するようには設計されていません。その結果として、解析ユニットはタイムクロックリファレンス(1PPS/ToD)を用いた場合と、同様な結果を算出できません。

テストケースⅤは1PPs/ToDリファレンスを用いたPTP自己同期試験で、テストケースⅡと多くの共通点がありますが、1PPS解析インターフェイスをPTPに置き換えています。この構成は高確度ToDリファレンスとパケットテストインターフェイスを組み合わせているので、BCとTCの試験には最適です。しかし、テストユニット間で1PPS/ToDインターフェイスの直接接続を必要とする不便さがあります。

ユニット#1と#2は、この試験ではTEを含む利用可能なすべてのパフォーマンスパラメーターの測定が可能です。

3ケース全てにおいて、両ユニットは出荷時設定であることを前提としています。また、PTPプロファイルはITU-T G.8275.1 (L2ペイロード、マルチキャスト伝送...)であることを想定しています。全てのEthernetテストポートも単純な構成を想定しています(1000BASE-T、VLANなし)

テストケースⅢ: 外部同期試験

本テストケースでは、ユニット#1はPTPマスタークロックをエミュレートするように構成されてい
ます。試験信号はBCやTCなどのネットワーク機器を介して伝送されています。出力はテストネットワークを介した元のシーケンス伝送から生じるPTPデータフローです。したがって、これは純粋なPTPテストとなります。クロックリファレンスはユニット#1、#2共にGNSSです。

リファレンス設定

テストケースⅠでGNSSリファレンスを設定するのと同様にユニット#1と#2を設定します。

GNSSプロパティ設定

テストケースⅠで、GNSSプロパティを設定するの同様にユニット#1と#2を設定します。

ユニットの接続

ユニット#1と#2を同様にテストネットワークの入出力インターフェイスに接続します。

  1. Ethernetパッチケーブルを使用しxGeniusのRJ45PortAに接続します。
  2. HomeパネルからConfigへ移動します。Port設定画面が表示されます。
  3. Modeを選択し、モード選択メニューへ移動します。
  4. Ethernet endpointを選択し、ENTERを押して確認します。

PTP Master Emulation Modeの設定

テストケースⅡと同様にユニット#1をPTPマスターエミュレーションモードに設定します。

PTP Pseudo-slave Modeの設定

スレーブエミュレーションモードでは、ユニット#2はPTPスレーブとして動作しますが、独立した同期ソース(GNSS)を持っています。これは、MTIE 、TDEV、TE及び他のパフォーマンスメトリックの算出を可能にします。これらはクロックリファレンス(GNSS)と試験信号の位相と周波数を比較して算出されます。

  1. HomeパネルからTestに移動します。テスト構成パネルが表示されます。
  2. PTP (IEEE 1588)移動します。
  3. PTP modeをTestに設定して、ユニットをIEEE1588スレーブになるように設定します。 PTPのラベルが画面上部の通知領域に表示されます。
  4. Message timingメニューからPTPに関連付けられている様々なメッセージのタイミングを設定します。
  5. Domain, Priority 1,Priority 2をネットワークの環境に準じた値に設定します。

上記の設定が正しければ、画面上部のPTPT表示が黄色から緑色に変わり、「S」がPTPラベルの近くに表示されます。

試験設定

PTPがアクティブになるとユーザーは試験を行うことができます。本設定ではTE及びMTIE/TDEVテストを行います。TEテストを有効にするために特殊な操作は必要ありません。MTIEとTDEVを有効にするには以下の設定を行います。

  1. HomeパネルからTestへ移動します。Test設定画面が表示されます。
  2. PTP Wander testへ移動します。
  3. Enable control をOnに設定してMTIE / TDEVテストを有効にします。
  4. Standard maskをテスト要件に適するように選択します。

試験の実行

試験を実施するためにRUNを押します。これでTE及びMTIE/TDEVがリアルタイムで算出されます。TEの結果を確認する方法は以下の手順です。

  1. HomeパネルからResultへ移動します。テストポート結果パネルが表示されます。
  2. Port Aを選択してポート固有の解析結果へ移動します。
  3. PTPを 選択してPTPプロトコルの結果を表示します。
  4. Time Error statisticsへ移動してTE結果を確認します。
  5. Total, Constant and Dynamic TEの最大値と最小値を確認し ITU-T G.8271.1.で定義されているしきい値内であることを確認します。

MTIE/TDEVテストはTEテストと同時に実施されます。リアルタイムの結果は以下の方法で確認できます。

  1. HomeパネルからResultへ移動します。テストポート結果パネルが表示されます。
  2. Port Aを選択してポート固有の解析結果へ移動します。
  3. PTPを 選択してPTPプロトコルの結果を表示します。
  4. Wander Testへ移動します。
  5. MTIEもしくはTDEVを選択します。
  6. Time, TIE, MTIE及びMaskの結果(MTIE結果パネル)もしくはtime, TDEV及びMaskの結果(TDEV結果パネル)を確認します。

NOTETE,MTIE及びTDEVの値はそれぞれpktfilteredTIE、pktfilteredMTIE、pktfilteredTDEVと対応しています。

NOTE最初の結果が表示されるまでの時間は、フィルター設定により異なります。

TE及びMTIE / TDEV試験を停止するにはRUNをもう一度押してください。

テストケースⅣ: SyncE自己同期試験

テストケースⅣは、クロックリファレンスが試験信号と同じ物理インターフェイスを共有する試験です。このリファレンスは、PTPマスター・エミュレーションモードのユニットからスレーブモードのユニットへ伝送されますが、ネットワークが本設定をサポートしている場合は、反対方向に伝播させることも可能です。

試験自体は、ケースⅢで説明したものと似ています。本設定での違いはクロックリファレンスの印加と伝送の方法の違いです。

ユニットの接続

ユニット#1と#2はテストケースⅢと同じ方法で、テストネットワークに接続します。

リファレンス設定

  1. HomeパネルからConfigへ移動します。Port設定画面が表示されます。
  2. Port Aを押し、ポート個別の設定を表示します。
  3. Physical layerへ移動します。
  4. Autonegotiationへ移動します。
  5. Clock roleをMasterに設定します。

ユニット#2のリファレンスクロックとしてSyncEを用いるためにインターフェイスの設定が必要となります。設定方法は以下の通りです。

  1. HomeパネルからConfigへ移動します。Port設定画面が表示されます
  2. Port Aを押し、ポート個別の設定を表示します。
  3. Physical layerへ移動します。
  4. Autonegotiationへ移動します。
  5. Clock roleをSlaveに設定します。
  6. メインConfigメニューへ戻ります。
  7. Reference clockへ移動します。
  8. Input clockをEthernet (Port A)に設定します。
  9. LEDを押してテストユニットのステータスを表示します。
  10. REFとLOCKのLEDが緑色になるまで待ちます。

PTP Master Emulation Modeの設定

テストケースⅡで説明したのと同様に、ユニット#1をPTPマスターエミュレーションモードに設定します。

PTP Pseudo-slave Modeの設定

テストケースⅢで説明したのと同様に、ユニット#2をPTPスレーブエミュレーションモードに設定します。

テスト設定

テストケースⅢと同様にユニット#2でMTIE /TDEVテストを設定します。

テストの実行

テストユニットのRUNを押して試験を実施してください。 MTIE / TDEVはリアルタイムで算出されます。試験結果の確認方法は以下の通りです。

  1. HomeパネルからResultへ移動します。テストポート結果パネルが表示されます。
  2. Port Aを選択してポート固有の解析結果へ移動します。
  3. PTPを選択してPTPプロトコルの結果を表示します。
  4. PTP wander testへ移動します。
  5. MTIEもしくはTDEVを選択します。
  6. Time, TIE, MTIE及びMaskの結果(MTIE結果パネル)もしくはtime, TDEV及びMaskの結果(TDEV結果パネル)を確認します。

NOTETE,MTIE及びTDEVの値はそれぞれ,pktfilteredTIE、 pktfilteredMTIE、pktfilteredTDEVと対応しています。

NOTE最初の結果が表示されるまでの時間は、フィルター設定により異なります。

TE及びMTIE / TDEV試験を停止するにはRUNをもう一度押してください。

テストケースⅤ: ToD自己同期試験

本テストケースでは、テストケースⅢとⅣと同じく、マスターエミュレーションモードとスレーブモードの2台のxGeniusを用います。本試験での違いはクロックリファレンスの印加と伝送の方法の違いです。具体的には、本テストケースは、テストケースⅡと同じ手順で、一方のユニットはもう一方のユニットから生成されたToDリファレンスにロックされます。

ユニットの接続

ユニット#1と#2は、テストケースⅢと同じ方法でテストネットワークに接続されます。

リファレンス設定

テストケースⅡと同様にユニット#1および#2のToDクロックリファレンスの入出力を設定します。

PTP Master Emulation Modeの設定

テストケースⅡと同様にユニット#1をPTPマスターエミュレーションモードに設定します。

PTP Pseudo-slave Modeの設定

テストケースⅢと同様にユニット#2をPTPスレーブエミュレーションモードに設定します。

テスト設定

テストケースⅢと同様にユニット#2でMTIE /TDEVテストを設定します。

テストの実行

テストケースIと同様にテストを実行します。

xGeniusは種々のクロックテストに対応可能ですが、本項では、G.8272/Y.1367 及び G.8273.2/Y.1368.2 にスポットを当てたPTP測定機能のご紹介を致します。

A.G.8272/Y.1367:PTPグランドマスタコンフォーマンス試験

このテストでは、xGenusを用いてPRTC(Primay Reference Clock≒ PTP グランドマスタ)のコンフォーマンス試験(MTIE/TDEV)を行います。

試験対象(DUT):グランドマスタ Qg2 OCXO発振器内蔵 PRTC-A *

*PRTCには現在2つのグレードPRTC-A/Bが有り本検証はPRTC-A規格のDUTで行います。PRTC-BはAより高精度の仕様が求められています。(図1、図2)

図1 図2

概要

グランドマスタとxGeniusを直接接続し、この間で発生するMTIE(Maximum Time Interval Error)及びTDEV(Time Deviation)を測定します。この時、xGeniusはPTP Slave Testモードに設定します。

下図の様に、グランドマスタの接続は3箇所、xGeniusは2箇所となります。

尚、本検証でのPTP系は以下のパラメータを選択しています。

プロファイル IEEE 1588v2
フレーム構成 UDP
アドレッシングモード Unicast
パスディレイ End to End
ToDフォーマット NEMA
PTP メディアI/F 1000Base-T

結果

xGeniusを用いて検証を行った結果、以下の通り、上図 図1、図2で示された規格範疇内の数値で有った為、試験対象であるグランドマスタ(Qg2)は本仕様を満たしていることが確認出来ました。(以下のグラフはxGeniusのレポート/ログ機能により出力されたファイルを、弊社で作成したExcelマクロで取り込み作成しています。本マクロはご希望によりxGeniusをご購入のお客様に無償で配布しております。)

MTIE Results

Time (sec) TIE(ns) MTIE(ns) Mask(ns) Judge
1 -0.3 0.7 25.275 Pass
2 -0.7 1.3 25.55 Pass
3 -1.0 1.9 25.825 Pass
4 -1.3 2.5 26.1 Pass
5 -1.5 3.1 26.375 Pass
6 -1.8 3.6 26.65 Pass
7 -2.1 4.2 26.925 Pass
8 -2.4 4.8 27.2 Pass
9 -2.6 5.4 27.475 Pass
10 -2.8 5.9 27.75 Pass
20 -5.5 11.1 30.5 Pass
30 -7.3 15.5 33.25 Pass
40 -9.0 19.2 36.0 Pass
50 -10.3 23.2 38.75 Pass
60 -11.4 26.9 41.5 Pass
70 -13.1 29.6 44.25 Pass
80 -14.0 31.2 47.0 Pass
90 -14.2 32.0 49.75 Pass
100 -13.1 33.0 52.5 Pass
200 -5.8 52.6 80.0 Pass
300 7.9 52.6 100.0 Pass
400 -7.7 52.6 100.0 Pass
500 -23.3 52.6 100.0 Pass
600 -26.3 52.6 100.0 Pass
700 -26.3 52.6 100.0 Pass
800 -36.3 57.3 100.0 Pass
900 -37.1 58.5 100.0 Pass
1.00E+03 -41.5 58.5 100.0 Pass
2.00E+03 -23.3 58.5 100.0 Pass
3.00E+03 -30.2 58.5 100.0 Pass
4.00E+03 -23.3 58.5 100.0 Pass
5.00E+03 -31.5 58.5 100.0 Pass
6.00E+03 -29.9 58.5 100.0 Pass
7.00E+03 -32.7 58.5 100.0 Pass
8.00E+03 -36.3 58.5 100.0 Pass
9.00E+03 -23.3 58.5 100.0 Pass
1.00E+04 -25.4 58.5 100.0 Pass
TDEV Results

Time (sec) TDEV(ns) Mask(ns) Judge
1 0.0 3.0 Pass
2 0.0 3.0 Pass
3 0.0 3.0 Pass
4 0.0 3.0 Pass
5 0.1 3.0 Pass
6 0.1 3.0 Pass
7 0.1 3.0 Pass
8 0.2 3.0 Pass
9 0.2 3.0 Pass
10 0.2 3.0 Pass
20 0.7 3.0 Pass
30 1.1 3.0 Pass
40 1.5 3.0 Pass
50 1.9 3.0 Pass
60 2.2 3.0 Pass
70 2.5 3.0 Pass
80 2.8 3.0 Pass
90 3.0 3.0 Pass
100 3.0 3.0 Pass
200 4.5 6.0 Pass
300 5.2 9.0 Pass
400 5.4 12.0 Pass
500 5.1 15.0 Pass
600 4.5 18.0 Pass
700 3.9 21.0 Pass
800 3.4 24.0 Pass
900 3.1 27.0 Pass
1.00E+03 2.8 30.0 Pass
2.00E+03 1.6 30.0 Pass
3.00E+03 1.1 30.0 Pass
4.00E+03 0.8 30.0 Pass
5.00E+03 0.6 30.0 Pass
6.00E+03 0.5 30.0 Pass
7.00E+03 0.4 30.0 Pass
8.00E+03 0.3 30.0 Pass
9.00E+03 0.3 30.0 Pass
1.00E+04 0.2 30.0 Pass
B.G.8273.2/Y.1368.2:Boundaryクロック コンフォーマンス試験

このテストでは、xGeniusを用いてITU-T G.8273.2 T-BC(Telecom Boundary Clock)の以下のコンフォーマンス試験を行います。本検証ではToD I/Fを用いた自己同期環境で行い、検証1ではToDのマスタクロック(xGenius(A))をGNSSと同期させた状態で行い、検証2では内部の発振器のみを用いてリファレンスとしています。尚、本件証は環境温度特性±1Kが求められるConstant Temperature にて実施しました。

項目

7.1 Maximum absolute time error 7.1.1 T-BC permissible range of constant time error
7.1.2 Dynamic time error low-pass filtered noise generation(MTIE) for T-BC(Constant Temperature) 7.1.2 Dynamic time error low-pass filtered noise generation(TDEV) for T-BC(Constant Temperature)
7.1.3 Dynamic time error high-pass filtered noise generation(dTEh)
Peak to Peak ±70ns

試験対象(DUT): Quarra 10G PTP Ethernet Switch

*T-BCには現在4つのグレード T-BC Class A/B/C/D が有り、本検証はT-BC Class A規格のDUTで行います。

検証1

Quarra PTP Switchは2台のxGeniusと接続されます。1台のxGenius(A)はRubidium発振器を搭載し、GNSSと同期して、PRTC-A規格のPTPグランドマスタのエミュレーションを行います。

もう1台のxGenius(B)はPTPスレーブとして動作し、上記の試験を行います。

下図の様に、xGenius(A)の接続は3箇所、 PTP Switchは2箇所、xGenius(B)の接続は2箇所となります。

尚、本検証でのPTP系は以下のパラメータを選択しています。

プロファイル IEEE 1588v2
フレーム構成 UDP
アドレッシングモード Multicast
パスディレイ End to End
ToDフォーマット NEMA
PTPメディアI/F 10GBase-SR
環境温度 25.5度 ~ 26.5度
PTPメッセージタイミング Announce TX interval : 1 Packet per Second
Announce RX message time out: 3 second

結果(検証1)

2台のxGeniusを用いて検証を行った結果、以下の通り、上記の全項目に於いて指定された範疇の数値で有った為、試験対象であるT-BC(Quarra Switch)は本仕様を満たしていることが確認出来ました。(以下のグラフはxGeniusのレポート/ログ機能により出力されたファイルを、弊社で作成したExcelマクロで取り込み作成しています。本マクロはご希望によりxGeniusをご購入のお客様に無償で配布しております。)

7.1 Maximum absolute time error

Maximum absolute time error (ns) Mask(ns) Judge
43 ≦100 Pass
7.1.1 T-BC permissible range of constant time error

Minimum(ns) Maximum(ns) Mask(ns) Judge
-36.0 -15.0 ≦50 Pass
7.1.2 Dynamic time error low-pass filtered noise generation(MTIE) for T-BC(Constant Temperature)

Time (sec) TIE(ns) MTIE(ns) Mask(ns) Judge
1 0.2 0.5 40.0 Pass
2 0.5 0.9 40.0 Pass
3 0.7 1.3 40.0 Pass
4 0.9 1.6 40.0 Pass
5 1.1 2.0 40.0 Pass
6 1.2 2.3 40.0 Pass
7 1.4 2.6 40.0 Pass
8 1.4 2.8 40.0 Pass
9 1.5 3.0 40.0 Pass
10 1.5 3.2 40.0 Pass
20 0.3 5.5 40.0 Pass
30 -0.5 6.2 40.0 Pass
40 -1.4 6.4 40.0 Pass
50 -2.3 6.6 40.0 Pass
60 -1.7 6.8 40.0 Pass
70 -2.3 6.8 40.0 Pass
80 -2.3 6.8 40.0 Pass
90 -0.8 6.8 40.0 Pass
100 -0.7 6.8 40.0 Pass
200 1.2 6.9 40.0 Pass
300 -3.0 7.8 40.0 Pass
400 -0.9 8.9 40.0 Pass
500 -2.1 9.1 40.0 Pass
600 -1.0 9.7 40.0 Pass
700 -2.9 9.7 40.0 Pass
800 -2.9 9.7 40.0 Pass
900 -4.3 9.7 40.0 Pass
1.00E+03 -5.5 10.3 40.0 Pass
7.1.2 Dynamic time error low-pass filtered noise generation(TDEV) for T-BC(Constant Temperature)

Time (sec) TDEV(ns) Mask(ns) Judge
1 0.0 4.0 Pass
2 0.0 4.0 Pass
3 0.0 4.0 Pass
4 0.1 4.0 Pass
5 0.1 4.0 Pass
6 0.2 4.0 Pass
7 0.3 4.0 Pass
8 0.3 4.0 Pass
9 0.4 4.0 Pass
10 0.4 4.0 Pass
20 0.8 4.0 Pass
30 0.9 4.0 Pass
40 0.9 4.0 Pass
50 0.8 4.0 Pass
60 0.7 4.0 Pass
70 0.6 4.0 Pass
80 0.6 4.0 Pass
90 0.6 4.0 Pass
100 0.6 4.0 Pass
200 0.6 4.0 Pass
300 0.7 4.0 Pass
400 1.0 4.0 Pass
500 1.2 4.0 Pass
600 1.2 4.0 Pass
700 1.1 4.0 Pass
800 0.9 4.0 Pass
900 0.8 4.0 Pass
1.00E+03 0.6 4.0 Pass
7.1.3 Dynamic time error high-pass filtered noise generation(dTEh)
Minimum(ns) Maximum(ns) Mask(ns) Judge
-6 5 ±70 Pass

検証2

Quarra 10G PTP Switchは2台のxGeniusと接続されます。1台のxGenius(A)はOCXO発振器を搭載しPRTC-A規格のPTPグランドマスタのエミュレーションを行いますが、検証1とは違い内部発振器はGNSSとの同期を行いません。

もう1台のxGenius(B)はPTPスレーブとして動作し、検証1と同様の試験を行います。

下図の様に、xGenius(A)の接続は2箇所、 PTP Switchは2箇所、xGenius(B)の接続は2箇所となります。

尚、本検証でのPTP系は以下のパラメータを選択しています。

パスディレイEnd to End

プロファイル IEEE 1588v2
フレーム構成 UDP
アドレッシングモード Unicast
ToD I/F ITU G.8271 (xGenius間)
ToDフォーマット NEMA
PTPメディアI/F 10GBase-SR
環境温度 25.4度 ~ 26.4度
PTPメッセージタイミング Announce TX interval
Unicast Sync interval
Unicast Delay interval
Unicast Dlay Request interval
共に 1 Packet per SecondAnnounce RX message time out: 3 second

結果(検証2)

2台のxGeniusを用いて検証を行った結果、以下の通り、検証1と同様に全項目で基準を満たした為、自己同期に内部発信器(OCXO)のみを用いた本件証も有効である事を確認出来ました。(以下のグラフはxGeniusのレポート/ログ機能により出力されたファイルを、弊社で作成したExcelマクロで取り込み作成しています。本マクロはご希望によりxGeniusをご購入のお客様に無償で配布しております。)

7.1 Maximum absolute time error

Maximum absolute time error (ns) Mask(ns) Judge
39 ≦100 Pass
7.1.1 T-BC permissible range of constant time error

Minimum(ns) Maximum(ns) Mask(ns) Judge
16.0 33.7 ≦50 Pass
7.1.2 Dynamic time error low-pass filtered noise generation(MTIE) for T-BC(Constant Temperature)

Time (sec) TIE(ns) MTIE(ns) Mask(ns) Judge
1 -0.2 0.6 40.0 Pass
2 -0.3 1.1 40.0 Pass
3 -0.5 1.7 40.0 Pass
4 -0.6 2.2 40.0 Pass
5 -0.7 2.7 40.0 Pass
6 -0.8 3.2 40.0 Pass
7 -0.9 3.6 40.0 Pass
8 -0.9 4.1 40.0 Pass
9 -1.0 4.4 40.0 Pass
10 -1.0 4.6 40.0 Pass
20 -0.7 7.3 40.0 Pass
30 -1.8 7.9 40.0 Pass
40 -2.5 7.9 40.0 Pass
50 -1.5 7.9 40.0 Pass
60 -1.2 8.6 40.0 Pass
70 -1.4 8.6 40.0 Pass
80 -2.6 8.6 40.0 Pass
90 -2.7 8.6 40.0 Pass
100 -1.5 9.4 40.0 Pass
200 2.1 11.0 40.0 Pass
300 5.8 12.3 40.0 Pass
400 3.9 14.3 40.0 Pass
500 6.6 17.9 40.0 Pass
600 5.2 19.9 40.0 Pass
700 8.3 22.2 40.0 Pass
800 9.8 22.9 40.0 Pass
900 15.0 26.8 40.0 Pass
1.00E+03 13.8 28.6 40.0 Pass
7.1.2 Dynamic time error low-pass filtered noise generation(TDEV) for T-BC(Constant Temperature)

Time (sec) TDEV(ns) Mask(ns) Judge
1 0.0 4.0 Pass
2 0.0 4.0 Pass
3 0.1 4.0 Pass
4 0.1 4.0 Pass
5 0.2 4.0 Pass
6 0.2 4.0 Pass
7 0.3 4.0 Pass
8 0.4 4.0 Pass
9 0.5 4.0 Pass
10 0.5 4.0 Pass
20 0.9 4.0 Pass
30 1.0 4.0 Pass
40 0.9 4.0 Pass
50 0.8 4.0 Pass
60 0.7 4.0 Pass
70 0.7 4.0 Pass
80 0.7 4.0 Pass
90 0.7 4.0 Pass
100 0.7 4.0 Pass
200 0.6 4.0 Pass
300 0.6 4.0 Pass
400 0.8 4.0 Pass
500 0.9 4.0 Pass
600 0.9 4.0 Pass
700 0.9 4.0 Pass
800 1.1 4.0 Pass
900 1.2 4.0 Pass
1.00E+03 1.1 4.0 Pass
7.1.3 Dynamic time error high-pass filtered noise generation(dTEh)
Minimum(ns) Maximum(ns) Mask(ns) Judge
-6 6 ±70 Pass